略奪?
「俺の故郷・潁水(えいすい)の
豪族に 馬飛虎
ってすんげ~やな奴がいるんだよ。
俺のものは 俺のもの、
お前のものも 俺のものって いわゆる
ジャイアニズム・・・だっけ?」
元直さんは顔をしかめた。
「じゃいあにずむ?」
孔明さんが は? ってな
顔をして元直さんを訝(いぶか)しく見つめた。
「で、ジャイアンがどうしたの?」
均ちゃんが身を乗り出した。
「ジャイアンがな、文中の妻に
惚れちゃったのさ、均にはまだ早いかな~」
元直さんは均ちゃんの頭を撫でた。
「ジャイアンだから、略奪しちゃったとか?」
均ちゃんはあどけない顔で
元直さんの手の動きを止めた。
「こ、孔明・・・いいのか?」
元直さんが助けを求めるように
孔明さんを見た。
「董卓と呂布の貂蝉サスペンス劇場が
均の耳にも入っていたらしい」
孔明さんは白羽扇を左右させて
よくあることだ、と続けた。
「董卓?呂布?貂蝉?なんじゃそりゃ?」
私だけ彼らの話に基本から入っていけない
なんでだろう?
みんな知っていることを何で私は
解らないんだろう?
「私は・・・何なんだろう・・・」
「玄子?」
孔明さんが白羽扇で私の肩を叩いた。
「とわ~! あとで教えてやるから、
まずは俺の話の続き聞いてくれよ!」
元直さんの話は本当に進まない。
脱線が多すぎる。
「でな、文中は奥さんを略奪されたばかりか
黄巾賊と通じていたって根も葉もない噂を
罪状にされて牢獄に繋がれたんだ。
しかも、その間に財産も土地も全部
奪われてしまったんだ」
文中さんは、その後脱獄して
ジャイアンを刺し殺そうと決起したものの
かすり傷しか負わせることが出来ず
今度はその罪状により逃亡生活を
余儀なくされて、洛陽に辿り着いたのだという。
「って、何で玄子がまとめちゃうわけ?」
元直さんが不満そうに言った。
「だって、元直さん話すと話進まないんだもん」
孔明さんが、うん、と頷いた。
「か~っ!俺の魅力が分からないとは!
だが、次回は俺の大活躍だ。
玄子!お前勝手にまとめるなよ?」
元直さんはお茶のかわりに
酒を呑み始めた。
「で、どんな活躍するの?」
仕方がないので聞いてみた。
「孔明が俺を慕ってくれる理由が
解るような大活躍だ」
(相変わらず)自慢げに話す元直さん。
「そうなの?」
孔明さんに確認をすると
「・・・・・少なくとも、嫌いではない
何となく、劉備に似ている気もするが」
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