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2007年10月

略奪?

「俺の故郷・潁水(えいすい)の

豪族に 馬飛虎

ってすんげ~やな奴がいるんだよ。

俺のものは 俺のもの、

お前のものも 俺のものって いわゆる

ジャイアニズム・・・だっけ?」

元直さんは顔をしかめた。

「じゃいあにずむ?」

孔明さんが は? ってな

顔をして元直さんを訝(いぶか)しく見つめた。
            
             
「で、ジャイアンがどうしたの?」

均ちゃんが身を乗り出した。

「ジャイアンがな、文中の妻に

惚れちゃったのさ、均にはまだ早いかな~」

元直さんは均ちゃんの頭を撫でた。

「ジャイアンだから、略奪しちゃったとか?」

均ちゃんはあどけない顔で

元直さんの手の動きを止めた。

「こ、孔明・・・いいのか?」

元直さんが助けを求めるように

孔明さんを見た。

「董卓と呂布の貂蝉サスペンス劇場が

均の耳にも入っていたらしい」

孔明さんは白羽扇を左右させて

よくあることだ、と続けた。

「董卓?呂布?貂蝉?なんじゃそりゃ?」

私だけ彼らの話に基本から入っていけない

なんでだろう?

みんな知っていることを何で私は

解らないんだろう?

「私は・・・何なんだろう・・・」
           
             
          

「玄子?」

孔明さんが白羽扇で私の肩を叩いた。

「とわ~! あとで教えてやるから、

まずは俺の話の続き聞いてくれよ!」

元直さんの話は本当に進まない。

脱線が多すぎる。
            
          
「でな、文中は奥さんを略奪されたばかりか

黄巾賊と通じていたって根も葉もない噂を

罪状にされて牢獄に繋がれたんだ。

しかも、その間に財産も土地も全部

奪われてしまったんだ」

文中さんは、その後脱獄して

ジャイアンを刺し殺そうと決起したものの

かすり傷しか負わせることが出来ず

今度はその罪状により逃亡生活を

余儀なくされて、洛陽に辿り着いたのだという。

「って、何で玄子がまとめちゃうわけ?」

元直さんが不満そうに言った。

「だって、元直さん話すと話進まないんだもん」

孔明さんが、うん、と頷いた。

「か~っ!俺の魅力が分からないとは!

だが、次回は俺の大活躍だ。

玄子!お前勝手にまとめるなよ?」

元直さんはお茶のかわりに

酒を呑み始めた。
         
            

「で、どんな活躍するの?」

仕方がないので聞いてみた。

「孔明が俺を慕ってくれる理由が

解るような大活躍だ」

(相変わらず)自慢げに話す元直さん。

「そうなの?」

孔明さんに確認をすると

「・・・・・少なくとも、嫌いではない

何となく、劉備に似ている気もするが」

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フリーズ

元直:おいおい、何で俺の話の途中なのに

10日間もフリーズしちゃってるわけ?
                 
              
玄子:諸々の都合により・・・
           
            
孔明:やる気ないなら、やめれば?
          
           
元直:おい、こら、孔明!

自分の生い立ちだけ話したからって

そりゃね~だろ!

俺の素晴らしい話を聞きたがっているファンに

どう申し開きするんだよ?
          
           
     
孔明:気が変わったって言えば?
              
           
元直:お前じゃないんだ!

おい、玄子!何とか言え!
           
           
玄子:・・・何とか・・・・・
             
元直:孔明の真似かよ?
               
孔明:著作権の問題につき玄子、

支払いをしてもらおうか。
            
          
玄子:・・・うぅっ、ひどい!

一文無しなのに・・・

来週中には絶対、更新しますので

元直殿、孔明殿、勘弁してくだされ。
           
             
元直:解ればいいんだ、な?孔明。
            
孔明:どうでも良いが・・・

謝らせてる暇があったら今日更新出来たのでは・・・
             
玄子:あ・・・
         
         
元直:でさ、俺が洛陽で幼馴染と再会した時、

そいつは財産も妻も奪われて絶望の淵に居たんだが、

俺が、只黙っているわけないだろ?

どうしたと思う?
           
            
玄子:元直殿って・・・
           
孔明:お前もまだまだ、だな。

もっと、したたかに生きてみたら?
            
                       
均:・・・ってよりもさ、話とび過ぎだよ。

自慢話の前に状況説明してよ。

幼馴染の人は何でそんな目にあったの?

元直:それは―――

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実名

「なぁ、玄子、俺本名は徐庶じゃなくて

徐福だったんだよ、実は」

話を始める前に元直さんが

要チェック!と人差し指を立てて

訳のわからないことを言った。

「実名が徐福ってどういうこと?」

目を丸くして驚く私と

「へ~そうだったんだ」

初めて知った様子の孔明さんに

「嘘だろ?」

私以上に驚く元直さん。
         
            
           

驚く私の反応は想定の範囲内だったが

孔明さんの反応には

「おいおい!初めて合ったときに言っただろ!

忘れすぎだぞ!

爺みたいな生活してるから・・・」

元直さんは、困った顔を

あいや~と左手で覆った。

「元直兄の困った顔は実に面白い

だが、玄子の驚いた顔も面白かった」

孔明さんはニヤッと笑った。

「お前、そうやって他人の反応

楽しむ悪趣味、いい加減に卒業したら?」

親友の実名を知らないはずがないのに

反応を楽しむために・・・・・

やっぱ、こいつ、性格悪いって!

なんだか騙されそうになったけど。
               
               
              

「で、何で名前変えたの?」

この二人って話が脱線しやすいんだよね~

「俺さ、お尋ね者なんだよ」

は?お尋ね者って・・・

孔明さんの顔を見ると

「逃亡者になった時は、名前変えたほうが

何かと都合がいいらしい」

淡々と答えるあたり、

これは、嘘じゃなさそうだ。
             
             
             

「俺さ、仇討ちに手貸したから」

黒さを増した瞳の元直さんに続いて

「そんな元直兄だからこそ、

私は兄と慕っているのですよ」

孔明さんが、初めて、人の心の

フォローに入った(ような気がする)
            
               

「王大手師匠のもと

剣の修行を積んだ俺は旅先の

洛陽で、幼馴染の文中に再会したんだが

全てはそこから始まったんだ」

静かな沈黙を飲み込むように

お茶を流し込むと、

冷めた分だけ、味が濃く出されていた。
         
             

「このお茶のように

俺たちの友情は時間が経っても

その絆は変わらなかった。

いや、変わらないと願っていた。

あの日までは・・・・・」

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